47歳の独女が、迷走の日々を綴っています。

ろくでもない恋愛の回顧 最終話

恋愛・婚活
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おはようございます。
今日の東京は少し暑さも控えめ?でも湿度は高いそうなので、引き続き熱中症にはご注意くださいませ。

さてさて、お話の続きです。
もっと掘り下げて6話ぐらいまで書こうと思ったのですが、思い返してみると正直ほとんど覚えていないことに気が付きました。これなら、小学生時代の初恋の話のほうがまだ事細かに記憶している自信があります。
歳をとるってこういうことなんですね…。

もとい、そんなこんなでTがハイコ家に遊びに来た時の愛犬の塩対応になんの疑問も抱かなかったハイ子。

そこからも普通にグレーゾーンの中でのお付き合いは続きました。

季節柄、ちょうど師走に突入したこともありクリスマスはどうしようかとか、年末年始はなにするの?とか、まあいたって普通のカップルの会話をしているつもりにはなっていたのですが…。

やっぱり怪しいのです。

何が怪しいかというと、とにかく「泊まらない」のです。
何があっても、しっかり帰宅します。

お互い実家暮らしだし、都内だし、別に泊まる必要はないと考えればそれまでだし、週末も普通に遊んでいたので、それもあって「怪しさ」から目を背けていました。

しかし、決定的なことがおきるのです。
クリスマスも終わり、年の瀬にアクシデントは勃発しました。

とある土曜日に会社の元同僚と忘年会を兼ねてごはんに行きました。

ハイ子が彼氏(らしき人)ができたことを報告すると、元同僚は大変喜んでくれました。
ちなみにその日Tは仕事上の忘年会があり、その週末は会えないことになっていました。
しかし、そろそろ帰ろうかとなった10時ごろでしょうか、TからLINEがきました。
あれ?飲み会じゃなかったのかい?とおもって、トーク画面を開くと、ちょうど山手線で2駅離れたところで忘年会があり、今おわったとのこと。
少しでも会えない?という内容でした。
終電の時間を考えると本当に少しになりますが、ハイ子的には全然OKだったので、落ち合うことになったのです。そして、もしかしたら「泊まらない」問題も、この日解消されるのではないか?とちょっと期待する気持ちもあったのかもしれません。

ハイ子は、2駅電車に乗り、Tが飲んでいた最寄り駅の改札で待ち合せすることにしました。

LINEから30分後ぐらいに改札に到着すると、赤ら顔のTが待っていました。
忘年会後というだけのことはあり、まあまあ飲んでいるようでした。

Tが「こっちこっち」と左手を高々と上げたその瞬間。
薬指にきらりと光る決定的証拠をハイ子は見逃しませんでした。
「あ?」オラオラハイコが顔を出しました。
すると、尋常じゃない様子のハイ子にTも気が付き、慌てて左手を隠し、手品師のように前方に戻した指にはもうキラキラしたものはついていませんでした。

「今、隠したね。ちょっと、どういうこと?」
「や、何も隠してないよ」
「ちょっと、話そうじゃないか」ということで、居酒屋に直行。
結局Tは白状したのです。
既婚者であることを。
その時はなんというか…むなしいというか、ああやっぱりなというか、女の勘て当たるんですね。

自分もそこそこ酔っていたからでしょうか。
決定的なことを突き詰めなかった自分にも非がある気がして、完全に騙された!という気持ちにはなれなかったのです。

そして、どんな感情か?と思うでしょうが、そのままその晩もそういう関係になりました。
おえええええ。吐き気です。

しかし、そんな時間に落ち合って、居酒屋で話し合い、そういうところに行っても、Tは泊まらずにタクシーで帰っていきました。

完敗です(何に?)。
これで完全に終わったなと思ったのです。

しかし、ハイ子をさらに追い詰める事態が我が家で起きていました。

呆然とした気持ちで朝帰りすると、あの愛犬わんこが、とてつもなく具合を悪くしていたのです。

前々から老衰で、夜泣きなどのちょっとした認知症のような症状も出ていたのですが、あきらかに体力も食欲も落ちていました。
ハイコ母が不安そうに「夕べは吐いちゃって、もうだめかもしれないね」と悟ったようなことを言い出しました。
そんな不調のわんこを置いて、バカ飼い主はどうしようもない恋愛にうつつを抜かし、意味のない虚しい夜を一人で過ごしていたのです。

18年も一緒に暮らしていたのに、たかだか3か月前に会った糞野郎にうつつを抜かすとは、なんておバカなハイコ。

ごめんなさい。

謝って済むことじゃないけどごめんなさい。

そう心から思いました。

Tがハイ子家に来た時に、わんこは怒られることを覚悟で粗相し、「こいつ、糞やで」と教えてくれたのかもしれません(違うと思うよ。)

兎にも角にも、わんこはその三日後12月29日に危篤状態になってしまいました。
が、病院に駆け込み一命をとりとめました。ただもう元気になる見込みはないとお医者さんに言われ、家で看取ろうということで連れ帰りました。

家族が集まるお正月も寝たきりになってしまいましたが、頑張ってくれました。
そして、1月4日に虹の橋を渡りました。
29日からの1週間は、ハイ子母とハイコで交代で看病し、まとまった睡眠はとらずに、ただただ寄り添ってあげることしかできませんでしたが、幸い会社も冬季休暇でずっと一緒にいることができました。

本当に最後の最後まで飼い主思いの良いわんこでした。

おや、ダメ恋の話が気が付くと、わんこのお話になっています…。
でも、わんこに集中するあまり、その糞男「T」のことはすっかり忘れることができたのです。

わんこよ、最後の最後まで心配をかけてごめんなさい。
ハイ子はもう、あんな糞男にうつつを抜かす事はないから、安心してください。

その後はLINEもブロックして削除、既婚者なのでもう連絡してくることは無いと思ったのですが、けじめですからね。

が、後日談がありまして。

その糞野郎と連絡を絶ってから2か月ほどしたころでしょうか…。
とある休日に部屋でぼーっとしていたら、ハイ子母が「ねえ、なんか変なメールがきてるよ」と、携帯を差し出してきました。

メールの内容は「お元気ですか?」の一言だけ。

そしてハッとしました。
確かいつぞや、ハイ子のスマホが故障し、その日Tと会う予定だったので、ハイコ母のガラ携を借りたのです。
出掛ける前に、パソコンのLINEで「もしなにか突発的に連絡しないといけないことがあったらここにメールしてね、でもこれは母の携帯ですから。」と教えたものでした。

糞男Tはそのことを忘れて、とりあえず知っている連絡先にメールしてきたのでしょうか。

お前に元気かどうか心配される筋合いはない。
と、心の中で思い、母には涼しい顔で「いたずらメールじゃない?」と答えておきました。

そして、そのあとこっそり携帯を拝借し、メールアドレスの受信拒否設定をしたうえで、メールを削除しました。

ミッションコンプリート。

最後の恋が、これなんて…。

もう恋なんてしないなんて、言わないよ絶対って、そんなこと言った覚えもないし、もう恋はしないな、とおもうハイ子なのでした。

おわり

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