47歳の独女が、迷走の日々を綴っています。

アラフィフおばさん 過去に痴漢を捕まえた話【痴漢撃退アプリ】に思う事

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Photo by lan deng on Unsplash
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今日も、お疲れ様です。

ハイ子です。

最近警視庁が痴漢撃退アプリをリリースしたのをご存じでしょうか?
ダウンロードした10代の少女が、電車通学中に、このアプリを活用し、痴漢が逮捕されましたね。

防犯アプリ Digi Police クリックで警視庁のサイトに飛びます

ハイ子は、自転車通学だったので、幸い学生時代はこれといった痴漢に遭ったことはありません。

自転車に乗っていたら、すれ違いざまにおじさんから「パンツ丸見え!」と、叫ばれたぐらいです。(ハイ子のスカートの丈はひざ下だったので、パンツが丸見えになることはありません。おそらくそういって相手がひるむのを楽しんでいる愉快犯だと思います)

しかし、社会人になってからは満員電車に乗る機会も増え、痴漢に遭うこともありました。

一番忘れられないのが、アラサー時代に「痴漢を捕まえたこと」です。

その時は仕事が忙しく、通勤もストレスマックス、イライラが絶頂な日々でした。

そんな日々の中、乗っている通勤電車の車内で痴漢に遭いました。

しかし、その電車は一駅だけの乗車だったので、とりあえず我慢しました。

改札に近い車両だったので、いつも決まった乗車口から乗っていたのですが、気味が悪かったので、翌日は違う車両に乗り込みました。

ところが…です。

また、痴漢に遭ってしまいました。

手口が前日と全く一緒です。

一駅だけし、我慢しようか…とも思いましたが、イライラマックスで、どうして痴漢のために車両を変えたり、私が譲歩しなければならないのか!

避けていても、これは永遠に終わらない。

ということで、背後に視線を向けました。

その瞬間、犯人の胸が私の肩に当たっていたのですが、肩から伝わる動悸が激しくなったのです。

ドクドクドクという心臓の鼓動が伝わってきます。

まちがいない、後ろに立っているこいつが犯人だ。

ということで、私はそいつの手首をつかみ、「ちょっと降りてください」と駅に着くや否や、引きずり下ろしたのです。

抵抗されるかなとおもいましたが、意外と静かに私が引っ張るままについてきました。

私はこの時、駅員さんにこの痴漢を引き渡して「じゃ」といって会社に出社するつもりでいました。

でも、それは過去の話。

当時はすでに、迷惑防止条例が施行されていたため、そんな簡単に済む話じゃなかったのです。

そこから、駅員室に通されました。

一瞬ですが、痴漢と二人っきりにされました。

内心ハイ子は動揺を隠せません。

<え?どういうこと?>と思いました。

しかも、その二人っきりの状況で、痴漢に「これから仕事なのに、どうしてくれるんだ!」と悪態をつかれました。

駅員さんが警察に通報し、結局そこからパトカーで最寄りの警察署に行くことになったのです。

パトカーは2台来ており、警察署への移動は、痴漢とは別行動でした。

ちなみに、そこから一切その痴漢と会うことはありませんでした。

でも<え?私も警察に行くの?>ハイ子はパトカーに揺られながら、何とも言えない気分になりました。

警察署につくと、事情聴取が始まりました。

あらかた聴取をしたら、刑事さんが驚くことを言いました。

刑「相手の方ですが、痴漢を認めていないんです。」

ハ「え?」

え?どういうこと?…ハイ子の頭の中には?マークが飛びまくりです。

刑「今回は、痴漢をされた被害者もハイ子さん、捕まえたのもハイ子さんです。例えば、第三者が見ていて、その方が捕まえたというなら話は違いますが、今回はハイ子さんと相手との一対一の問題なのです。で、訴えますか?訴えませんか?」

訴えを起こさなければ、相手はそのまま釈放されるらしいのです。(※ちょっとこの辺の認識があいまいです)

ハイ子「この場合…どうなんでしょう」
なんだかトンチンカンなことしか言えなかったと思います。

刑「ハイ子さんが訴えるというなら、私たちは全力で協力します」的な、力強い言葉をいただきました。

ということで、ハイ子は割と間髪入れずに、

ハイ子「訴えます」と答えていました。

そこから、訴える前提での聴取、つまり材料を集める作業が始まりました。

ハイ子に模したマネキンも登場し、どこをどう触られたかの再現写真を撮りました。

写真撮影は、刑事さん3人がかりでした。

気が付けばお昼をとうに過ぎていました。

ハイ子は、持参していたお弁当を、聴取室でいただきました。

その間、刑事さんは飲まず食わず。

最終的に15時ぐらいに開放され、覆面パトカーみたいな車で会社まで送っていただきました。

会社には、朝警察に到着した時点で、遅刻する旨を伝えていたので、問題ありませんでした。

しかも、事情が事情なので、有給消化にもならない、特別休暇扱いにしてもらえました。

その日は、ほとんど仕事になりませんでした。
やっぱり、痴漢に遭っただけでもメンタル追い込まれるのに、相手が認めないとなると、さらに迫りくるものがあります。

あの痴漢がハイ子に放った「これから仕事なのに、どうしてくれるんだ!」という一言が、ふとした瞬間にリフレインします。

結局、痴漢は否認を続け、そのまま10日間拘留されることになるようでした。

あっさり認めたら罰金で済むレベルのようですが、認めないというのは…まさか…冤罪?と、だんだんとハイ子の心は「なんで捕まえちゃったんだろう、なんで訴えるなんて言っちゃったんだろう」という方向に傾いていきました。

もちろん母親にも言いましたが「お礼参りをされたらどうするの?我慢すればよかったのに」と言われたときは、お礼参り=仕返しという、娘の身を案じた発言だったのかもしれませんが、さらに追い込まれました。

ところで警察からは、さらなる証拠として、着ていた服を提出するようにと言われていました。

犯人の指紋が出るかもしれないので、科学捜査にかけるとのことでした。

さすがに下着姿で帰るわけにいかないので、翌日再び警察署に行き、当日着ていた服を提出しました。(ちなみに会社は制服があったので、着用していたのはジーンズとTシャツです…ラフだ…)

無事証拠を提出した警察からの帰り道は「指紋よ出てくれ!どうかどうか…」と、祈るような気持ちでした。

仕事も忙しいのに、なぜこんなことに気持ちを揺さぶられなきゃならんのだ…自分で自分を恨んだりもしました。

するとその翌日のことです。

警察から電話がありました。

刑「相手がハイ子さんに対する痴漢を認めました」

ハイ子が当日着ていた服の指紋鑑定をすることを痴漢に言ったら、鑑定に入る前に、あっさり認めたというのです。

その時は「良かった!」というより、やっとこの後悔の日々から解放されるという気持ちの方が強かったです。

でもしばらくは、お礼参り的な仕返しにもおびえていた気がします。

痴漢を自分で捕まえるって本当にリスキーです。
相手が示談を求めてきたらまた話は違うのでしょうが、条例違反に対する公的な罰則は課されますが、ハイ子が訴えを起こさない限り、ハイ子個人に対する損害賠償とかは一切無いのです。

そう考えると、なんだかな…という気持ちもあります。

話は長くなりましたが、アプリを使う事で、第三者が協力してくれるというのは、本当に心強いことだと思います。

アラサーの時分でも、とんでもない動揺と心細さを覚えたので、未成年ならなおさら、一対一で向き合うことはとんでもなく負担になることだと思うのです。

今も、我慢していればよかったのかな…と考えてしまうくらい、負の気持ちに駆られます。

そんな気持ちがわかるからこそ、もしそんな子を見かけたら、勇気を出して助けよう、と思うおばさんでした。

おしまい

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