46歳の独女が、迷走の日々を綴っています。

中国旅行の思い出~1997年 尊厳を捨てた夏…アラフィフおばさんの昔話

旅日記
Photo by Abdennour Boudjema on Unsplash

こんにちは、ハイ子です。

ハイ子はその昔中国は北京に留学しておりました。
大学三年生の時です。

ちょうど今問題になっている香港がイギリスから中国に返還された「1997年」ですね。
思えばもう四半世紀近く経ったわけです…。

ちょっと表題はセンセーショナルな感じですが、それに近いことがこの留学中にありました。

真面目な話では無いです。

むしろお下劣なほうなので、どうぞ寛大な心で読んでください。

留学中の旅行といえば、女友達がみな彼氏を作ってしまい(他大学からの留学組、結構な数の日本人が留学生宿舎におりました。)もっぱら一人旅でした。

一人旅の醍醐味といえば、今と変わらないのですが「フリーダム」です。

時間を気にしなくていいのはもとより、道に迷っても困るのは自分、バスに乗り遅れても困るのは自分、とにかくなにかやらかしても困るのは自分だけで済む…ああなんて気楽。

そして、そんなのんびりした気分で中国一人旅を続けていたら、尊厳をすてるようなアクシデントに遭遇することになってしまったのです。

たしか、夏休みも後半だったでしょうか。

一か月以上のお休みだったので、一時帰国をする生徒もいました。

しかし、一時帰国は国際航空券を往復買わないといけません。

どんなに安くても数万はくだらない…となると、そのお金で中国国内を旅行したほうが断然充実しています。

というのは建前で、ハイ子の場合は単純にお金がなかったということです。

夏休みの間はほぼ宿舎にひきこもり、後半に3泊4日の一人旅を企画しました。

最大の目的地は中国三大石窟の一つ「龍門石窟」

「龍門石窟」は川沿いにあり、そしてその川を挟んで白居易ゆかりのお寺「香山寺」と蒋介石の別荘「蒋宋別荘」があり、それはそれは見どころ満載。

一人旅のバイブル地球の歩き方によると、「蒋宋別荘」では宿泊もできるとのこと。

蒋宋別荘に宿泊すれば、対岸から月夜に照らされた龍門石窟を眺めることもできるとか!

なんてロマンチック。

ハイ子は「蒋宋別荘」に泊まり、夜の龍門石窟を見ることを旅のメインテーマに据えたのです。


しかし、旅は序盤からアクシデントに見舞われました。

観光の玄関口「鄭州」という駅で、うっかりバイクタクシーのおじさんにつかまり、その後ほぼ拘束という形で、その知らないおじさんと2ケツバイクタクシー観光をする羽目になってしまったのです。

が、そんなことぐらいで、メインテーマは忘れません。

龍門石窟観光を終え「明日はどうするの?」と引き続きハイ子を拘束しようとするおじさんに、ハイ子はきっぱりと、「今日はあそこに宿泊し、明日はもう帰るので、ここでサヨナラです。」とお伝えしました。

どうでもいいけど、2ケツで見ず知らずのおじさんと観光するとは後にも先にもありません。
貸してくれたヘルメットの香ばしさはいまだに忘れられません…。

さて、そんなわけで、おじさんにサヨナラを告げ、ハイコは暗くなる前に「蒋宋別荘」へと対岸から橋を渡って向かいました。

今はかなり観光地化されており、当時の様子は見る影もないのですが、ハイ子が行ったときは、舗装された道はなく、ちょっとした山道を登って「蒋宋別荘」にいきました。

そして、なんとか夕暮れ前に「蒋宋別荘」にたどり着き、チェックインしようとしたのですが…。

なんか、ホテルっぽい建物がないね。

なんとなく「蒋宋別荘」のような厳つい2階建ての建物はあるものの、チェックインするような入口もなければ、案内板も見当たらず…。

それでもめげずに、さらに敷地の奥に進むと、人の気配がしました。

すがるように気配がするほうへ歩いていくと、いましたいました!

ザ・一般人という感じの人たちが。

仲睦まじくテーブルを囲んで、夕食を食べています…あれ、ここ一般家庭?

ホテルじゃないの?間違えた?

ハイ子はおそるおそる声を掛けました。

ハイ子
ハイ子

あのう、泊まりたいんですけど…。

一般人
一般人

え?ここに泊るの?

ハイ子
ハイ子

泊まれないんですか?ここは…宿泊施設ではないのですか?

一般人
一般人

泊まれないことはないけど…じゃあ、ついてきて

するとその一般人ぽい人は、先ほどの厳つい「蒋宋別荘」らしき建物に向かって歩き出しました。

なんだ!やっぱりあの建物が「蒋宋別荘」なんだ。
よかった…。

もはや夕闇迫る時間帯です。

このタイミングで泊まれないといわれても、ハイ子は野宿しかありません…助かった。

一般人改めホテルのスタッフは、蒋宋別荘の鍵を開け、二階の客室へとハイ子を案内しました。

2段ベッドが左右に一台づつ備え付けられており、どうやらドミトリーみたいな感じです。

洗面台やトイレお風呂などの水回りは部屋にはありませんでした。

洗面台は部屋の外のバルコニーのようなスペースにあり、シャワーとトイレは一階の共同のものを使うように言われました。

ホテルスタッフ
ホテルスタッフ

ベッド1台、20元ね。

そう係の人に言われ、今の価値だと20元=300円ほどでしょうか。

ハイ子は悩みました。
女一人旅、万が一他のベッドにお客さんを通されても困る…。

時間も時間なので、新たな客が来ることは絶対ないとはおもったけれど…。

ベッド4台分の80元を払えば、この部屋一人で使えますか?

と確認しました。

係の人は「もちろん」との返事。

当時は、80元払えば、地方都市ならユニットバス付の個室ホテルに泊まることができる金額です。

このしょぼい設備の部屋に80元を出すのは不本意ですが、安全には代えられません。


そして今は分かりませんが、当時はかならず宿泊料金以上のデポジットを支払うのが定番スタイル。

この時は100元を要求されました。

もちろん宿泊代金との差額の20元は、チェックアウトの際に返金してくれます。

100元を支払うと係の人は去っていきました。

多分、というか間違いなくこの厳つい「蒋宋別荘」に、ハイ子は今晩独りぼっちのようです。

他に宿泊客がいたら、わざわざ建物の入口で、鍵を開けたりしないですよね…。

すでに、後悔の念が押し寄せてきました。

しかしもうここに泊まって月夜に照らされた「龍門石窟」を見るということを、旅のメインテーマに据えてしまった以上仕方ないです。

気持ちを切り替えて、「蒋宋別荘」探検です。

その前にトイレに行きたいです。

ルームキーは無く、内側から閂式の鍵をかけるスタイルで、逆に鍵をかけ忘れさえしなければ安全ですが、外から鍵をかけることができません。

いちいち荷物を持って移動するのも面倒なので、ベッドに金目じゃない荷物を置いて、小バッグに懐かしのトラベラーズチェックやパスポートを入れて、いざ出発です。

まずは、トイレ!早く便器に会いたい!

途中、たしかに蒋介石の別荘だっただけのことはあって、重厚というかそれなりに手入れしたら、それなりにりっぱな建物になるのになと思うような洋室があったりしました。

壁や柱も中華と西洋が入り混じったような造りで、シノワズリ的な、なんともいえない趣があります。

そんな景色を横目に、トイレらしき場所を見つけました。

が、時刻はすでに日没を過ぎ、中の様子がいまいちわかりません。

電気ぐらい点けておいてよ!と思いながら、なんとかスイッチを見つけました。

が電気をつけてびっくり。

中には、和式と男子が立ってする形式の2つの便器がありました。

しかしいずれの便器にも、すべて家庭ごみというか、プラスチック系のごみが捨てられていました。
ここはごみ箱?

こんなところでは用は足せません。

シャワーブースらしき衝立もありましたが、もう怖くて向こう側はのぞけません。

とりあえずシャワーもトイレも今日は我慢するしかなさそうです。

絶望に打ちのめされながら、部屋に戻るととても寒い。

どういうわけか冷房がガンガンです。

しかし、止め方も弱め方もわからず、この先襲ってくるであろう尿意とこの寒さの中でどう戦えばいいのか…。


そして、旅のメインテーマに据えた「月夜の龍門石窟」ですが、多分見たんです。


当時持っていたカメラは中国で買ったやっすいカメラなので、月明かりの下なんて、もちろん何も映らず、現像したらただの黒一色。

そうなることは想定していたので、目に焼き付けようとしましたが、そんなことより尿意が圧勝していたようです。

ということで「多分見た」レベルの記憶しかありません。

やはり美しい景色は、心穏やかに見るものですね。

もう今晩はさっさと寝よう。

そして朝早くとっととチェックアウトしよう。

そう思ってベッドに横になりました。

でも…寒い。

おかげ様でベッドは4台確保しているので、うすっぺらいタオルケットを他のベッドから拝借して、なんとか眠りにつきました。

が、やっぱり逃げ切れない、どうしようもない尿意に夜中2時頃目が覚めました。

自然の摂理です。

なんというのでしょうか、いまだかつてないレベルの、膀胱が破裂しそうな勢いです。

これは、もう仕方がないですね。

ちなみにこちらの施設には「どうぞ」と言わんばかりに、部屋に備え付けの洗面器(あとポット)がありました。
ドミトリーなので、共同の水場で洗濯とか、もちろん洗顔するためでしょう。

もう背に腹は代えられない、というかベッドにするよりは圧倒的に洗面器でしょう。

といことで、ハイコはそこに用を足しました…さらば人間の尊厳。

屋外で…という案もよぎりましたが、さすがに人に見られる不安と蚊の襲撃を考慮すると、まだこの個室のほうが安心です。

もちろん外は真っ暗なので、仕方なくそっとベッドの下にしまいました。

尿意問題から解放されれば何のその!ハイコはむさぼるように眠りにつきました。

そして翌朝、とっととチェックアウトするぞ!と思っていたくせに、結構な寝坊をしてしまいました。

チェックアウトは大体12時なので、まあのんびりするかと、まず洗面器を何食わぬ顔をして、バルコニーの水道で処理しました。

もちろんしっかり洗いましたけど、正直自分でも二度と使いたくないです。

そして、身支度を整え、きっちり12時にチェックアウトしようと、昨日の係の人を見つけ声を掛けました。

デポジットの差額20元を返してもらわなければ!

が、返ってきた答えは、

チェックアウトは11時です。もう過ぎているから、延長料金に当てるので、20元は返金できません。

なっ…なにー!

係の人が指さした宿泊の案内には、11時チェックアウトと書かれていました。

見落とした自分が悪いのか…。

後にも先にも11時チェックアウトのホテルはここだけでした。


尿意との戦いに負け尊厳を手放したハイコは、20元も手放すことになったのです。

ああ、100元あったらもっとまともなホテル泊まれたよなあ…。

日中に対岸で撮った龍門石窟、日中でもこのクオリティ、
当時のカメラなかなかです。※ハイコが写真下手くそ等、諸説あります。

おしまい

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